たとえ、この恋が罪だとしても。
「でも、どうして…」
真剣な表情で写真を見ていたお兄ちゃんの顔は、山崎先生に向けられた。
「この写真の女の人は、俺の元恋人で十年以上前に亡くなっている」
「…じゃあ、この墓石はー…」
お兄ちゃんが後ろに振り返り、墓石を見た。
「彼女が眠る場所だ」
ビュ…ンー…
そう山崎先生が言った瞬間、今日ここに来て一番強い風が吹いた。
咲いている花の花びらが舞い、まるで雪のように舞い落ちてくる。
「…」
…待って…
この写真の女の人は、私に似ていて…
今日、山崎先生は私をここに連れてきた。
そして、ここにお兄ちゃんも呼んだ。
頭の中を整理しようとするが、まとまらない。
え…
つまり…
私はー…