たとえ、この恋が罪だとしても。
ドクン。
ドクン。
お互いに見つめ合ったまま、口を開かない。
「…っ」
もし、本当に私が山崎先生と真実さんの子供だったら、私たちの進む道はまた違うかもしれない。
他人だったら、私たちは今まで願ってきたことを叶えられるかもしれない。
「…私は…」
ぎゅっと胸の前で拳を握ると、お兄ちゃんを見ていた視線を山崎先生に向けた。
「真実が知りたいです。私が、山崎先生と真実さんの子供なのか」
山崎先生と同じように、覚悟を決めた目で自分の意思を伝えた。
「…そうか、わかった」
そう伝えると、山崎先生はふっと笑った。
「兄ちゃんの方はどうする?」
山崎先生の視線は、お兄ちゃんに向けられた。