たとえ、この恋が罪だとしても。
「はぁー…やっぱ、涼真先輩カッコイイよな!!入学式で他の先輩たち見たけど、ダントツで涼真先輩だよ!!」
隣で光太郎が、お兄ちゃんの去って行く姿を見て惚れ惚れとしている。
「…」
お兄ちゃんが朝、光太郎のことを私の犬って言ってたけど、やっぱお兄ちゃんの犬じゃん。
そう思いながら、光太郎を見る。
「おーい!そろそろ教室入れよ!初日から、帰るの遅くなるぞ」
教室の窓から、新しい担任の先生が呼んでいる。
お兄ちゃんに見惚れていた他の生徒たちも、慌てて自分の教室へと向かう。
「また真優のせいだ」
廊下を走りながら、光太郎がボソッと言った。
「私のせいじゃない!!もう、光太郎いい加減にしてよ!!てか、何で付いてくるのよ!!」
ほぼ八つ当たりな口調で、光太郎に言う。
「は?同じクラスだろ?受付で渡された名簿、見てないの?」
「え!!?」
そういえば、自分の以外見てないような気がする。
「涼真先輩が呆れるのもわかるような気がする」
光太郎が溜め息をつきながら言う。
「うるさいな!!」
もう光太郎はすぐに、お兄ちゃんを話題に出す!!