たとえ、この恋が罪だとしても。
「…帰ってください。私には話すことなんて…」
「さっき二人を連れて、真実のお墓参りに行ってきた」
「…え?」
お母さんの目が見開かれた。
「俺も一ヶ月近く、謹慎処分を受けたから少し時間があったんだ。だから、真実のことも調べたんだ。俺と真実の間にー…」
「帰ってください!!!!!」
ビク!
お母さんが大きな声で、叫ぶように言った。
その声に驚いて、身体がビクっと跳ねた。
「私には何も話すことはありません!!帰ってください!!!」
もう一度、叫ぶようにお母さんが言った。
「…っ」
お母さんの初めて見る取り乱した姿に、心臓がバクバクする。
この状況に、緊迫した空気が流れるー…
「…母さん、俺さ」
その空気の中、お兄ちゃんがぽつりと喋り出した。
「真優が好きなんだ」