たとえ、この恋が罪だとしても。
真剣な表情で、山崎先生はページをめくる。
山崎先生とは距離があるため、アルバムの中身はここからは見えない。
隣にいるお兄ちゃんは、山崎先生がアルバムを見ている間は見ようともせず、目線を下げ黙っている。
「…はは。何で教えてくれなかったんだろうな」
しばらくして、山崎先生のそんな一人言が聞こえた。
…何のこと?
アルバムを開いたまま、山崎先生は目元を手の平で覆ってしまった。
「…」
どうしたの?
山崎先生のそんな姿を見て、不安になる。
「ほら。待たせて悪かったな」
山崎先生は目を覆ったままこちらを見ずに、アルバムを渡した。
お兄ちゃんがそれを受け取ると、アルバムの1ページ目を開いた。
覗き込むように、お兄ちゃんと一緒にアルバムを見る。