たとえ、この恋が罪だとしても。
そう聞かれて、パッと思い浮かんだのはー…
「お兄ちゃん」
2つ歳上の兄だった。
「…ぷ」
それを聞いた女の子の一人が吹き出した。
「あはは!それ、好きな男の子じゃなくて家族のことでしょ?」
「真優ちゃん、まだお兄ちゃん離れしてないの?」
「確かに真優ちゃんのお兄ちゃんカッコイイけど、好きな男の子とは違うでしょ?」
女の子たちはお笑いして、私が言ったことを否定してくる。
「好きなのは、お兄ちゃんだもん!」
言ったことを否定され、笑われたことに腹が立ち、半分怒り口調で言い返した。
そう言うと、一瞬だけ静かになり…一人の女の子がボソっと言った。
「…お兄ちゃんが好きっておかしいよね」
ドクン。
「本気だったら、マジで引くよ」
「真優ちゃん、おかしいんじゃない?」
今度は笑いもせず、真顔で言う女の子たち。
さっきまではキラキラとさせていた目も、今は軽蔑したような目を向けてくる。
ドクン。
ドクン。
何で…
そんな目で見てくるの?