たとえ、この恋が罪だとしても。
「やっと終わったー!!」
始めて1時間ちょっと、お兄ちゃんのおかげで課題が終了した。
「職員室に提出して来い。俺は先に下駄箱行ってるから」
そう言いながら、お兄ちゃんが椅子から立ち上がった。
「え…一緒に帰ってくれるの?」
立ち上がったお兄ちゃんを見上げ、そう聞いた。
「今、何時だと思ってるんだ?下校時間よりも遅い時間に真優を一人で帰らせたら、俺が母さんに怒られるわ」
呆れ顔のお兄ちゃん。
「え…あ…うん。そうだね」
窓の外を見ると、夏だからまだ明るい。
しかし、教室の壁に掛けてある時計を見ると、時刻は6時を回っていた。
「早く提出して来ないと、置いてくぞ」
鞄を持ち、お兄ちゃんは教室の扉に向かって歩きだす。
「あ!!待ってよ!すぐ行ってくるから!!」
慌てて机に出していた荷物を鞄にしまい、提出する課題を手に持ち立ち上がった。
「絶対待っててね!!!」
逆方向に向かうお兄ちゃんの背中に向かって言うと、ダッシュで職員室へと向かった。