たとえ、この恋が罪だとしても。
「お兄ちゃん!お待たせ」
下駄箱まで来ると、すでに靴に履き替えたお兄ちゃんが待っていた。
「…え?」
一人ではなく、二人でー…
ドクン。
なんでー…
その人も一緒にいるの?
「え…お兄ちゃんって…涼真、妹いたの?」
お兄ちゃんの隣にいたのは、入学式で見た人。
そして光太郎が言っていた、お兄ちゃんの彼女…
「…」
さっきまでウキウキ気分だったのが、一気に地面に落とされた感じ。
「何で言ってくれなかったの?」
「…聞かれなかったから」
「教えてくれたっていいじゃん!えっと…妹さん1年だよね?初めまして、3年の優華です」
そう言い、優華さんは小さく会釈をした。
「…真優です」
自分の名前を言うのだけで、精一杯。
だって…
「真優ちゃんね。よろしくね」
目の前にいる二人を直視できない。
優華さんは身長160センチぐらいありそうで、綺麗な長い黒髪がすごく大人っぽくて…
180センチあるお兄ちゃんと並んでも、二人はお似合いでー…
155センチしかない私は子供っぽくて、お兄ちゃんの隣に並んでも不釣合い。
その前に、私はただの妹だ。
「…っ」
俯き、涙が出そうになるのを我慢する。