たとえ、この恋が罪だとしても。
「何、内緒話してるんだ?」
「!」
「光太郎くん!」
その嫌な空気に割って入ってきたのは、同じクラスの光太郎だった。
「喧嘩か?」
そう言いながら女の子たちと真優を交互に見る、光太郎。
「真優ちゃんの好きな人って、お兄ちゃんなんだって!おかしいと思わない?」
ドクン。
女の子の一人が、光太郎に言った。
…また、おかしいってー…
「あぁ…」
光太郎と目が合った。
まさか、光太郎もずっとおかしいと思ってたの?
ドクン。
ドクン。
「俺も、真優の兄ちゃん好きだぜ。だって、超カッコイイし!!」
嫌な空気を一掃させるぐらいのトーンで、光太郎が言った。
「勉強もできるし、足も速い!!しかも、身長も俺たちの年齢で170センチはあったんだぜ!?まだまだ伸びてるって言ってたし、もう憧れだよ!!」
キラキラな笑顔で話す、光太郎。
光太郎とは家が隣同士で、小さい頃から私と兄と光太郎の3人でよく遊んでいた。
その時からずっと光太郎はお兄ちゃんに憧れていて、最近ではお兄ちゃんに会うと何故か緊張している。
小さい時からずっと、一緒なのにー…