たとえ、この恋が罪だとしても。
しかも、何で制服脱いでるの?
「…真優」
「!」
茫然と動けずにいると、ドアの前にお兄ちゃんが立った。
お兄ちゃんも上半身裸で、制服のズボンのボタンも外れている。
何…
何してたの?
「っ…」
目の前にいるお兄ちゃんの目を見つめたまま、言葉がでない。
「この間から何よ!!!妹のくせに!!!」
「!」
ドクン!
優華さんの言葉で、意識がハッキリしてきた。
「出て行ってよ!邪魔しないで!!!」
「!?」
枕が顔面めがけて飛んできた。
思わず目を閉じたが、衝撃はなかった。
あれ…
ゆっくりと目を開けると、ぶつかる直前でお兄ちゃんが枕をキャッチしていた。
ホッと胸を撫で下ろしていると、再びお兄ちゃんと目が合った。
「…ノックぐらいしろよ。バカ」
パタン。
そう一言だけ言い、お兄ちゃんはドアを閉めた。
「…っ」
目の前には、閉められたドア。
手に持っていたテストは、力なく床に落ちた。