たとえ、この恋が罪だとしても。
あのまま家に居たら、おかしくなりそうだった。
「どうしてだろう?」
行く宛もなく、とぼとぼと歩く。
「何でだろう?」
自分に問いかけながら。
「何で…」
お兄ちゃんなんか好きになったんだろう?
願っても叶わない。
ううん…
願っちゃいけないような人を、何で好きになっちゃったんだろう?
頬に伝うのは汗ではなく、涙。
「泣いてもしょうがないのにー…」
兄に恋をしてしまったこと自体、もしかしたら罪なのかもしれない。
だから、私は泣いてはいけない。
けどー…
「嫌だ…お兄ちゃんに触らないで…お兄ちゃんも触らないでー…」
涙が止まらない。