たとえ、この恋が罪だとしても。
*傷ついても、側にいたい。
中学1年の夏、暑い日差しに照らされながら涙した日。
1時間ぐらい時間を潰して家に帰ると、玄関には兄の靴はなかった。
家の中も静まり返っていて、人の気配がない。
…いないのかな?
自分の家だというのに、恐る恐るリビングへと向かう。
リビングのドアを開けると、やっぱり誰もいない。
二階からも、人の気配は感じない。
「…はぁー」
やっと、安堵の息をつけて気がした。
…お茶でも飲もう。
炎天下の中、時間を潰したから喉はカラカラだ。
台所にある冷蔵庫に向かおうとした途中、テーブルに置いてある一枚の紙に目が留まった。
「…なんで」
くしゃくしゃになってしまったはずの数学のテストが、綺麗にのばされ置いてあった。
お兄ちゃんの部屋の前で、力なく落ちてしまったテスト。
それが、どうしてここにー…?
テストを手に取り、見つめる。
…あれ?
じっと見つめていると、学校でテストを返してもらった時と違う部分があった。