たとえ、この恋が罪だとしても。



「ブス」

「!?」

鼻で笑いながら、お兄ちゃんが言った。


今、ブスってー…


「ブ…ブスじゃないもん!!」

後ろからお兄ちゃんの背中を殴ろうとした時、歩道の信号機が青に変わった。


信号の色が変わったのと同時に、お兄ちゃんは再び歩き出した。


振り上げた腕が、空振りをする。


「~…もう!」


その後ろ姿を、慌てて追う。




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