たとえ、この恋が罪だとしても。



「じゃあ、真優の高校入学を祝って…乾杯」



お父さんの乾杯の言葉に、4人でグラスを重ねた。


真向いに座っている、お父さんとお母さんはワイン。


私と、隣に座っているお兄ちゃんはジュース。
 

「真優、おめでとう」

ワインを一口飲んだお母さんが、グラスをテーブルに置きながら言った。


「ありがとう…」

こうやってレストランで祝ってもらうのは初めてで、何だか照れくさい。


今までこういうお祝いごとは、家で
やっていたから。





「真優、たくさん食べろよ!真優のためのお祝いなんだからな」


運ばれてくる料理を目の前に、お父さんがどんどん食べろとジェスチャーしてくる。


「うん!」


テーブルに並べられていく料理に、目をキラキラさせてしまう。



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