たとえ、この恋が罪だとしても。
*嫉妬、嫉妬、嫉妬。
高校に入学して1週間で、あっという間に、私がお兄ちゃんの妹だということが、学校中に知れ渡ってしまった。
友達はまだいないけど、お兄ちゃんがきっかけで声を掛けてくる人達はたくさんいる。
校内のどこを歩いていても、注目の的。
部活だってそろそろ決めないといけないのに、決められずにいる。
どの部活に入っても、きっと注目の的で…
お兄ちゃんのことを聞いてくる人に囲まれるんだろうな。
「はぁー」
そんなことを考えながら、一人で校内を探検する。
光太郎はもうバスケ部に入部し、全ての授業が終わると楽しそうに部活に行ってしまった。
「裏切りもの…」
光太郎は悪くないが、八つ当たりをしてしまう。
「部活入部するの強制とか、やめて欲しい」
ぶつぶつ言いながら校内を歩いていると、扉が開いている教室を見つけた。
扉の上を見上げると、そこに書いてあったのは¨美術室¨
「ここにあったんだ…」
まだ美術の授業を受けていないため、美術室がどこにあるかも知らなかった。
「へぇー…」
引き寄せられるように、美術室の中へと入る。