たとえ、この恋が罪だとしても。
「どうせ私は身長も小さいし、華もないし、勉強もできないし、スポーツもできないし、ブスですよーだ」
山崎先生はそこまで言っていないが、怒りに任せて出てしまった。
「…根に持つタイプ?てか、俺はそこまで言ってないけどな」
苦笑いをしながら、山崎先生は目を合わせた。
「コンプレックスをサラッと言うからですよ」
ふんっと、鼻息を荒くしながら言う。
「すいませんでした」
丁重に、頭を下げた山崎先生。
「あはは!」
そんな山崎先生の姿に、つい笑ってしまった。
「…本当、似てるんだけどな…」
笑い声の中に、山崎先生がボソッと囁いた言葉。
…え?
「…似てる?」
誰に?
笑うのをやめて、首を傾げ山崎先生を見上げた。
「あ、いや。何でもない…」
山崎先生は首を横に振りながら、また窓の外を見た。