たとえ、この恋が罪だとしても。
「じゃあ、白石は好きな男はいるのか?」
「へ!?」
ドキン!
「その反応はいるんだな」
ニヤッと笑った、山崎先生。
カッと顔が赤くなってしまうが、すぐに頭を過った。
"この恋は知られてはいけないー…"
顔を俯かせ、拳を握った。
「同じ学校の奴か?それとも、中学の同級生?」
さっきとは違い、楽しそうに聞いてくる山崎先生。
けど私は、その質問に答えることができない。
だからー…
「…いませんよ。好きな人なんて」
嘘をつくしかない。
「私は、誰も好きじゃないです」
俯いていた顔を上げ、怪しまれないように笑顔で言ったつもりだったけど…
ちゃんと、笑えていたかな?