たとえ、この恋が罪だとしても。
「白石…お前…」
「真優!!!」
山崎先生が何か言いかけたところで、美術室の扉の方から大きな声で名前を呼ばれた。
扉の方に振り返ると、そこにいたのは部活終わりの光太郎。
「帰るぞ」
光太郎は、"来い、来い"とジェスチャーしている。
「もう!自分が待たせたくせに!!」
偉そうな態度の光太郎に向かって、怒り口調で言った。
「じゃあ、山崎先生帰ります…あ、これ美術室の鍵…」
預かっていた美術室の鍵を、山崎先生に渡した。
「あぁ。気をつけてな」
「はい」
軽く会釈をすると、光太郎の元へ向かった。
「何してたんだよ」
光太郎に近寄ると、何故か不機嫌な様子。
「何って、光太郎を待ってたんでしょ!?自分が待たせといて、何で不機嫌になってんの!?」
バシ!!
「いてっ」
ムカついて、力強く光太郎の腕を殴った。