たとえ、この恋が罪だとしても。
「はぁー、ビックリした」
ホームまで光太郎に引っ張られて来た。
「なぁ、真優」
「…」
「真優!」
「!?」
大きな声で名前を呼ばれ、停止していた思考がやっと動きだした。
「大丈夫かよ?」
ドキ。
「…え?」
ドキドキ。
顔を覗き込んでくる光太郎。
本心を見られたくなくて、思わず目を逸らしてしまった。
「そんなにショックだったのかよ」
ドクン!
光太郎の言葉に、心臓が深く脈を打った。
「…え?」
声が震えそうになるのを、堪える。
「涼真先輩のキスシーン」
ドクン!
「…え?」
情けないほど、小さな声で聞き返してしまった。
こんなに動揺していたら、光太郎にバレてしまうかもしれない。
普通にしなきゃ…
誤魔化さなきゃ…
嘘つかなきゃ…
そう考えるとますます動揺してしまい、頭の中が真っ白になってしまう。