迷子の迷子の斎藤ちゃん
1章

回り道



「んー、どこいったかな……あったぁ!!
課題プリント失くしたかと思ったじゃんかよ」


今日の今日まで忘れてた課題が見つかり、安心して床に座り込む。


「ふふ」

後ろを振り向くとお母さんが立っていた。


「良かったわねー。でも瑞樹?

今何時かわかってるの?」



え!?
信じたくない思いで、壁に掛けた時計を見上げる。


「…8時12分。えーと学校は8時40分から始まるから-------おわた。」



30分もかかる距離なのに
いや、諦めるな瑞樹!


「行ってきまーーす!」


鞄を抱えて走る。
猛スピードで行けばなんとかなる!…きっと。


玄関を出て、転びそうになりながらもマイチャリに乗る。


行くぜ相棒!



「瑞樹ー、お弁当」


ぎゃあああ!?



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