キス逃げ ―衛side―
俺は、紗柚の背中を追いかけながら、いつもの様に声をかけた。
「紗柚、帰るんなら一緒に帰ろうよ」
そう、紗柚とは学校が同じで家も近かったせいか、ずっと一緒に居た。
昔から紗柚はしっかりしていて、よくボケッとしている俺はいつも叱られて居たんだ。
最近は何て言うか……
もう身内みたいな感覚なのかな。
とにかく、ホッと出来る存在なのだ。
「今日で何回目よ?」
「何回かなぁ~~??」
だいたい、サッカーボールとキスしている感覚なんだから、カウントしている訳がない。
紗柚は大きく溜め息をつくと、俺のわき腹をグッとつねった。
「いってえぇ!!!」
全く手加減無し。
「今日だけで13回もキスされてんのよ?!しかも、全員違う女の子だなんて……」
なぜか紗柚に説教される俺。
俺だって好きでサッカーボールと……いや、彼女達とキスしている訳じゃないんだからさ。
「仕方ないだろ。俺だってしたくてしてる訳じゃないんだから」
反撃開始。
してみたんですが……