大好き
閉め切った資料室は少し薄暗くて、埃っぽい。

「話って?」

カーテンを開け、壁により掛かる。

「うん…あのね。」

いざとなると怖くなる。
答えも結果も分かっているのに…

やっぱり怖い…

拒絶されること…

嫌われること…

そして何より今の関係が壊れてしまうことが怖かった…

まだ何も伝えてない…

何も始まっていなければ、何も終わりも告げていない。

なのに気持ちばかりが溢れて来て、涙を誘う…

「どうした?」

様子のおかしいあたしにセンセは、優しく声を掛け近づいてくる。

ポロポロとこぼれる涙。

溢れ出す感情。

色々考えて、笑って告白して…

笑って終わろうとしたのに…

言えた言葉は涙でグチャグチャな一言だけ…
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