大好き
最後のお願いは2度目卒業制作

そしてあの時と同じようにセンセにモデルをお願いした。

完全に学校もセンセも卒業するために…

「5年かぁ~。あっと言う間だったな」

しみじみとセンセは呟く

「そうだね。あたしここに来た時、まだ18だったんだよ」

下書きに鉛筆を走らせながら懐かしいねと笑いあう。

「そうそう。不安そうな顔して立ってた小さな女の子だったよ」

あの時は毎日が初めてで不安で仕方がなかった。

「でも…もうすっかり1人前だな…」

寂しそうにセンセが笑う

つられてあたしも薄く微笑んだ

「ねぇ、センセ…笑って…?」

あたしの言葉にセンセは笑った

あの大好きな笑顔で…
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