大好き
お昼時と言うのもあって少しざわめく店内に足を踏み入れた。

「話って何?」

席について飲み物と軽食を頼んであたしは切り出した。

「うん…あのね…」

重々しい口調で由季が話し始めた。

良いことではないな…
直感だけどそう思った。

「飛鳥、まだセンセーが好き?」

「うん…」

由季には全てを話してあった。
あたしの気持ち。
叶わない、行き場のない思いを…

「辛くない?」

辛いよ…楽なんて思ったこと一度もない。

「辛いよ。正直泣きたいし、諦められたら…っていつも思う」

溜め息混じりでそう答えた。

「でもね、心が拒否するんだ…」

「そっか…」

切なそうに由季が呟いた。
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