小さな百合の花
そして私が泣き止んでくると不意にキスをしてくれる。
優しくて、余計涙が溢れてしまうキス。
こうされる時が実は1番好きかもしれない。
涙を浮かべる私を腕の中に入れている彼。
この時の彼が1番好きかもしれない。
いつもの倍以上優しい気がするから。
けれど、こんなこと毎回やりたいわけじゃない。
できれば避けたい。
だから私は機嫌をとる。
「ここの空き教室なら誰も来ないよ」
305教室。
仲のいい友達が作業する隣の教室。
教室に入るとくっつけられた長机に彼はすぐ横たわった。
私がトイレから帰ってくると彼は絨毯になっている床に腰を下ろして免許の教習の勉強をしていた。
その横に私も腰を下ろしてから、横になる。
すると彼もすぐに横になって寝息をかき始めた。
何回も見ている彼の寝顔。
彼がどんなにすやすや眠っても私は眠くない。
むくっと起き上がると彼の鞄から勝手にi-podを取り出し、イヤホンをつける。
そして今読んでいる本を自分の鞄から取り出す。
「白い犬とワルツを」はこないだ借りた本。
それを薄明かりの中、彼の音楽を聴きながら読んでいた。
早く起きないかな、と思いながら。
優しくて、余計涙が溢れてしまうキス。
こうされる時が実は1番好きかもしれない。
涙を浮かべる私を腕の中に入れている彼。
この時の彼が1番好きかもしれない。
いつもの倍以上優しい気がするから。
けれど、こんなこと毎回やりたいわけじゃない。
できれば避けたい。
だから私は機嫌をとる。
「ここの空き教室なら誰も来ないよ」
305教室。
仲のいい友達が作業する隣の教室。
教室に入るとくっつけられた長机に彼はすぐ横たわった。
私がトイレから帰ってくると彼は絨毯になっている床に腰を下ろして免許の教習の勉強をしていた。
その横に私も腰を下ろしてから、横になる。
すると彼もすぐに横になって寝息をかき始めた。
何回も見ている彼の寝顔。
彼がどんなにすやすや眠っても私は眠くない。
むくっと起き上がると彼の鞄から勝手にi-podを取り出し、イヤホンをつける。
そして今読んでいる本を自分の鞄から取り出す。
「白い犬とワルツを」はこないだ借りた本。
それを薄明かりの中、彼の音楽を聴きながら読んでいた。
早く起きないかな、と思いながら。