小さな百合の花
雨が降っていた平日。
観覧車を見上げる。
もう私は先輩付き添いの元の研修も終わっていた。
というより、終わった初日だった。
日が暮れるにはまだ早い。
灰色の空からはとめどなく雨が降っていて、私のかっぱを十分に濡らしていた。
観覧車のホームを見上げると、いつも仕事を教えてもらっている先輩とあと一人。
ふと思う。
あれ?おかしいな。
平日の雨という日は蟻一匹すら来ない暇な遊園地。
そんな時に2人体制になるのはおかしい。
近くにいた先輩に聞いてみる。
「今日観覧2人体制ですか?」
「ああ、あれ?あの子新人さんらしいよ。あんたと同期やね」
私と同期の仲間が増えて嬉しく思い、観覧のホームへと一目散に走りあがる。
「おつかれさまです!はじめまして!私と同期やね、よろしく!」
一気に言いたいことだけ伝えるとそこにいた新人は私の迫力に呆気にとられた様子。
「あ、おつかれさまです。今日から入りました。よろしくお願いします」
それはよく見るとこないだ事務所にいた男の子だった。
私達がかっぱを着ている中、彼はかっぱを着ていなくてずぶ濡れのまま。
髪の毛からはもう水が滴り落ちるほどで、唇は心なしか紫色。
「かっぱ持ってきてあげるわ」
と私が言うと「いや、いいっすよ」と答えて先輩の仕事内容を真剣に見ている。
誠実そうで、爽やかそうで、一般的な大学生って感じがした。
思いのほか身長は低かったけど、誠実そうな彼を見ていると身長なんて関係ないなと思った。
勝手ながらも彼を私のかっこいい男の子リストに追加。
観覧車を見上げる。
もう私は先輩付き添いの元の研修も終わっていた。
というより、終わった初日だった。
日が暮れるにはまだ早い。
灰色の空からはとめどなく雨が降っていて、私のかっぱを十分に濡らしていた。
観覧車のホームを見上げると、いつも仕事を教えてもらっている先輩とあと一人。
ふと思う。
あれ?おかしいな。
平日の雨という日は蟻一匹すら来ない暇な遊園地。
そんな時に2人体制になるのはおかしい。
近くにいた先輩に聞いてみる。
「今日観覧2人体制ですか?」
「ああ、あれ?あの子新人さんらしいよ。あんたと同期やね」
私と同期の仲間が増えて嬉しく思い、観覧のホームへと一目散に走りあがる。
「おつかれさまです!はじめまして!私と同期やね、よろしく!」
一気に言いたいことだけ伝えるとそこにいた新人は私の迫力に呆気にとられた様子。
「あ、おつかれさまです。今日から入りました。よろしくお願いします」
それはよく見るとこないだ事務所にいた男の子だった。
私達がかっぱを着ている中、彼はかっぱを着ていなくてずぶ濡れのまま。
髪の毛からはもう水が滴り落ちるほどで、唇は心なしか紫色。
「かっぱ持ってきてあげるわ」
と私が言うと「いや、いいっすよ」と答えて先輩の仕事内容を真剣に見ている。
誠実そうで、爽やかそうで、一般的な大学生って感じがした。
思いのほか身長は低かったけど、誠実そうな彼を見ていると身長なんて関係ないなと思った。
勝手ながらも彼を私のかっこいい男の子リストに追加。