ブレインゲーム
烏丸はまだ事務所にいた



9番は単刀直入に聞いた



「もう票を買っているのか?」



その問いにただゆっくりと



「あっ?まだだ。4回目が終わってから動く」



烏丸は、こいつは古葉のスパイだということを常に頭の片隅に置き本当のことを言わないように気をつけた



そのため無性に時間が遅く感じた



「なあ、今後の具体案はどうするんだ?」



烏丸は必死に表情を保ちながら



「やっぱ作戦を変えて51人に古葉が買えねえくらいの額を積んでぎりぎりで勝つことにするわ」



と嘘をついた



烏丸が言った後しばし9番は黙った



そして軽く下を向きながら口を開いた



「本当だな?」



「あっ?なに疑ってんだよ」



「烏丸俊哉は俺を古葉側のスパイと疑ってないか?」



烏丸はドキリとしたが必死に表情を保った



「あっ?何言ってんだよお前は。報酬の高いほうにつくお前が貧乏な古葉のスパイなんかやるわけねえだろ」



多少早口になったが問題ないだろうと烏丸は勝手に決め付けた
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