ブレインゲーム
「悪かったな。疑うようなまねをして」



9番は深々と頭を下げた



ぴしっとした綺麗なお辞儀とちょっとした罪悪感から烏丸は心を傷めた



「いい、頭上げろ」



すぐに頭を上げさせ9番を古葉のところに行かせた



そしていつも通りの場所からガタガタと音をたてながら5番が出て来た



「うーるさいな、このロッカー」



八つ当たりでロッカーを軽く蹴り飛ばした



「おい、9番って本当に古葉のスパイなのか」



つぶやくように話したので5番は少し烏丸に驚いた



「いーいこと教えてあげる。9番が今烏丸を疑ったくだりは全部古葉の指示だよ」



それを聞くと烏丸は食いついて来た



「なんだと?」



「だーから、お前が9番を信じたら古葉の思う壷なんだよ」



烏丸は軽く舌打ちをしてからドアに手をかけた



ドアノブはひんやり冷たい



「おい、票を買いに行くぞ」
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