ブレインゲーム
芥川は左手でサイコロを握った



「偶数」



先に向こうはコールした



「投げる前だけどいいの?」



「ああ、いつ言っても同じだからな」



相手はにやついてる



芥川はサイコロを回した



出た目は4…



「よっしゃー」



「次も偶数」



出た目は2…



「よしっ」



敵はまだニヤついてた



「偶数」



出た目は2…



さすがに古葉も異変に気付いた



だが、自信満々の芥川を見て



「大丈夫かな、あいつなら」



と何も言わないで見守った



「ははは、あのサイコロ偶数が出やすいなんてもんじゃねぇな。偶数しか出ねえ」



鳴山は何故か感心してる



「細工してるって言いましょうよ」



倉間が鳴山の肩を揺らす



だが鳴山は



「いいよ、別に〜」



「でも3回当てられたから後が…」



鳴山は焦る倉間を笑い



「芥川だって細工には気づいてるっしょ〜」



倉間は納得いかない顔をした



芥川が4回目を振ろうとサイコロを手にとったその瞬間



「おっ、芥川が動いた」



気づいたのは鳴山だけ
< 39 / 338 >

この作品をシェア

pagetop