ブレインゲーム
「偶数」



芥川がサイコロを投げた
出た目は3…



「なっ…、なに?」



向こうは焦っていた



プランが崩されたのだから



「5回目だよ」



芥川はサイコロを敵に向けた



敵は黙り込んだ



パニックだろう



次外したら高校生達は負けなのだから



芥川は手の中でサイコロを遊ばせた



「鳴山さん、どうして?」



倉間もびっくりしてた



「芥川が動いたんだって」



鳴山はへらへら笑った



「サイコロを細工したくらいじゃ、芥川には全く勝てない。あいつには何をしてもギャンブルは勝てない」



言い切る鳴山



「ぐ…偶数…」



さっきとは違う威勢のない声だった



初めてニヤつきが消えた



芥川は少し笑ってからサイコロをスピンさせて投げた



やがてサイコロのスピードは遅くなり…



出た目は…
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