ブレインゲーム
…1



「よくやった芥川」



敵は呆然としていた



「サイコロを見れば?」



芥川はサイコロを相手に渡した



相手はすぐにまじまじと見た



「これ…」



少しざわついたところで芥川は手の平を上に向けた



何もない左手



敵もガン見している



手をグーにして軽く揺らしてから手を開けたら中にはサイコロが



「はい、これが細工サイコロだよ」



「細工だと?」



古葉が詰め寄ったがダッシュで逃げられた



倉間は鳴山に聞いた



「サイコロをすり替えたんですか?」



「ピンポ〜ン、4投目の時に、手ん中に隠してたサイコロとすり替えた」



古葉も倉間も気づかなかった



だが倉間には腑に落ちない点があった



「何で初めからすり替えなかったんですか?」



「細工してあったのは分かっても何が出るように仕組まれてるか分からんからな。それが知りたかったんじゃん?」



倉間は納得したが



「でも4投目に偶数の目が出たらどうするつもりだったんでしょうか?」



鳴山は笑いながら



「そこなんだよ…あいつのめんどいとこは」
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