黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
「そんなことない。あなたは弱くなんか……。お願い、お姉ちゃんを頼って」
私の口から出た言葉は、紛れもなく最愛の弟……健に向けたもの。
だけれども、サーバルは何の違和感もなく、それを受け入れてくれて。
彼の目からも、一筋の涙が伝って落ちた。
*
こちらはヴォルブのリオン城。
燦々たる結果に、プリンセスのナミは怒り狂っていた。
「あんた達、一体何をやってるの! ブランなんかの何倍の軍を向かわせたと思っているのよ!?」
「す……すみません。全く、予想外の出来事が起こりまして……」
「はぁ? 予想外の出来事?」
「はい。まさか、アルビンのプリンセスが、あれ程に甚大な破壊力のシャイン・ボールを放つとは……」
「何、それ? ナエイハは、レオパードでもなくたかがプリンセスの放ったシャイン・ボールにやられて、それで皆、逃げ帰ったっていうの?」
ナミは眉をひそめた。
「はい。まさか、美しさだけが取り柄だと思っていたうららプリンセスが、あれほどの攻撃力を備えていただなんて……」
「えっ……」
ナミは耳を疑った。
「ちょっと、待って。うららって……」
「はっ。元アルビンの姫、現在はパンターのうららプリンセスにございますが」
私の口から出た言葉は、紛れもなく最愛の弟……健に向けたもの。
だけれども、サーバルは何の違和感もなく、それを受け入れてくれて。
彼の目からも、一筋の涙が伝って落ちた。
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こちらはヴォルブのリオン城。
燦々たる結果に、プリンセスのナミは怒り狂っていた。
「あんた達、一体何をやってるの! ブランなんかの何倍の軍を向かわせたと思っているのよ!?」
「す……すみません。全く、予想外の出来事が起こりまして……」
「はぁ? 予想外の出来事?」
「はい。まさか、アルビンのプリンセスが、あれ程に甚大な破壊力のシャイン・ボールを放つとは……」
「何、それ? ナエイハは、レオパードでもなくたかがプリンセスの放ったシャイン・ボールにやられて、それで皆、逃げ帰ったっていうの?」
ナミは眉をひそめた。
「はい。まさか、美しさだけが取り柄だと思っていたうららプリンセスが、あれほどの攻撃力を備えていただなんて……」
「えっ……」
ナミは耳を疑った。
「ちょっと、待って。うららって……」
「はっ。元アルビンの姫、現在はパンターのうららプリンセスにございますが」