黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
私とレオパードは、今の危機的な状況をオルビに説明した。

すると……


「まぁ……ヴォルブの軍がこちらに侵攻を!?」


私達の話を聞いたオルビの顔面は、蒼白となった。

それもそのはず。

三国最大のヴォルブの軍勢がこのパンターに攻め込んでくるとなると、どう考えても惨劇は避けられない。


「ど……どうされるんでしょう?」


目に見えて慌てている様子の彼女は、恐る恐る尋ねた。


「私達……私とレオパードが力を合わせてウルフを退けるしかない。このパンターとお城を守るために……」

「私で力になれることはないでしょうか?」

「そうだよ。僕も戦う!」


オルビの声に、やる気満々のジョンの声が重なった。

もう子供用の戦闘服に着替えていて、今すぐにでも飛び出して行きそうで。

私とレオパードは、思わず吹き出してしまった。


「ジョン、オルビ、ありがとう。でも大丈夫よ。こんなに強くて頼りになるレオパードが私を守ってくれるし、それに……私もウルフの四天王の一人をやっつけたんだから」

「まぁ……獰猛なウルフの中でも特に猛々しく最強の精鋭と呼ばれる、四天王を!?」

「え、ええ……」


四天王が最強の精鋭と呼ばれていたのは知らなかったけれど、兎も角、それを倒したのは事実なので、私は頷いた。
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