黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
「ドール! 覚悟なさい!」
私の右手の甲には白い痣がくっきりと浮かび上がって、この全身は青白い光を放って……
手の平ではシャインボールが煌々と青く光った。
「来たな、白豹のプリンセス!」
ウルフの兵士達はより一層にいきり立ち、私に向かって突進しようとした。
しかし……
「お待ちなさい!」
口元を歪め、邪悪な笑みを浮かべるドールはそれを制した。
「ふっ……白豹のプリンセスごとき、私一人で充分。始末してやるわ」
「ドール様、しかし……」
ウルフの兵士の一人が諫めにかかると、彼女はそいつを刺すように睨んだ。
「何、あなた? 私が白豹のプリンセスごときに負けるとでも思って?」
「いえ、そんなことはございませんが」
「じゃあ、何も問題ないじゃない」
「しかし……」
ドールは家臣の兵士を無視し、軍を抜けて一人、私の前に出てきた。
(来た……!)
私は心の中で呟いた。
これは作戦通り。
四天王のドールは、自らがどんな女よりも美しく、強いと思い込んでいる。
だからこそ、女性に対するライバル意識が異常に強く、時に考えもなく浅はかな行動をとる。
だから……私が前に出て行って挑発すると、十中八九、軍を離れて単独で私を討とうとする。
そう、レオパードは言っていた。
その時こそがチャンス。
この間の戦いで、分かっていた。
そう……ウルフの軍は統制が取れているように見えても各々に対する信頼関係が薄く、統率者を失うとバラバラになって散ってゆく。
恐らく、ドールを倒したら……途端に兵士達は夢から醒めたように、ウルフを捨てて逃げ出すだろう。
だから……今こそ、どんな手段を使ってでもあいつを倒す!
私の右手の甲には白い痣がくっきりと浮かび上がって、この全身は青白い光を放って……
手の平ではシャインボールが煌々と青く光った。
「来たな、白豹のプリンセス!」
ウルフの兵士達はより一層にいきり立ち、私に向かって突進しようとした。
しかし……
「お待ちなさい!」
口元を歪め、邪悪な笑みを浮かべるドールはそれを制した。
「ふっ……白豹のプリンセスごとき、私一人で充分。始末してやるわ」
「ドール様、しかし……」
ウルフの兵士の一人が諫めにかかると、彼女はそいつを刺すように睨んだ。
「何、あなた? 私が白豹のプリンセスごときに負けるとでも思って?」
「いえ、そんなことはございませんが」
「じゃあ、何も問題ないじゃない」
「しかし……」
ドールは家臣の兵士を無視し、軍を抜けて一人、私の前に出てきた。
(来た……!)
私は心の中で呟いた。
これは作戦通り。
四天王のドールは、自らがどんな女よりも美しく、強いと思い込んでいる。
だからこそ、女性に対するライバル意識が異常に強く、時に考えもなく浅はかな行動をとる。
だから……私が前に出て行って挑発すると、十中八九、軍を離れて単独で私を討とうとする。
そう、レオパードは言っていた。
その時こそがチャンス。
この間の戦いで、分かっていた。
そう……ウルフの軍は統制が取れているように見えても各々に対する信頼関係が薄く、統率者を失うとバラバラになって散ってゆく。
恐らく、ドールを倒したら……途端に兵士達は夢から醒めたように、ウルフを捨てて逃げ出すだろう。
だから……今こそ、どんな手段を使ってでもあいつを倒す!