黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
第八章 最後の四天王
*
ここはヴォルブのリオン城。
パンターでの戦いの結果が報告された瞬間に、刺々しい怒声が響き渡った。
「あんた達、一体、何なのよ!? どれだけの軍を送り込んだと思っているの?」
退散した軍の兵長に対し奈美は怒り狂い、まるで汚いものを見るような目を向ける。
「はっ……しかし、白豹のプリンセスのシャインボールが、この間にも増して威力の強いものになっておりまして、四天王のドール様でさえ、殺されてしまったのでございます」
兵長のその言葉が奈美の癇癪に触った。
「言い訳なんか、聞きたくないわ!」
「い、いえ、その……うぎゃあ!」
奈美は鞭で家臣を打った。
「私を誰だと思ってるの? うららなんかに、絶対に負けないんだから!」
「は……はっ!」
奈美の怒り……いや、黒い嫉妬は収まらなかった。
(あの女……麗。異世界でまで、私をコケにしやがって……)
「もう我慢ならない! こうなれば私が直接、出陣して決着をつけるわ!」
「ちょ……ちょっと、お待ち下さい!」
家臣は暴走しようとする彼女に慌てた。
「まだ、最後の四天王が残っております」
「はぁ、四天王? そんなのもう、当てにならないわ」
奈美は眉をしかめた。
「いえ、お聞き下さい。最後の四天王は一味違います……」
家臣は奈美の怒りに怯みながらも、口元に歪な笑みを浮かべた。
ここはヴォルブのリオン城。
パンターでの戦いの結果が報告された瞬間に、刺々しい怒声が響き渡った。
「あんた達、一体、何なのよ!? どれだけの軍を送り込んだと思っているの?」
退散した軍の兵長に対し奈美は怒り狂い、まるで汚いものを見るような目を向ける。
「はっ……しかし、白豹のプリンセスのシャインボールが、この間にも増して威力の強いものになっておりまして、四天王のドール様でさえ、殺されてしまったのでございます」
兵長のその言葉が奈美の癇癪に触った。
「言い訳なんか、聞きたくないわ!」
「い、いえ、その……うぎゃあ!」
奈美は鞭で家臣を打った。
「私を誰だと思ってるの? うららなんかに、絶対に負けないんだから!」
「は……はっ!」
奈美の怒り……いや、黒い嫉妬は収まらなかった。
(あの女……麗。異世界でまで、私をコケにしやがって……)
「もう我慢ならない! こうなれば私が直接、出陣して決着をつけるわ!」
「ちょ……ちょっと、お待ち下さい!」
家臣は暴走しようとする彼女に慌てた。
「まだ、最後の四天王が残っております」
「はぁ、四天王? そんなのもう、当てにならないわ」
奈美は眉をしかめた。
「いえ、お聞き下さい。最後の四天王は一味違います……」
家臣は奈美の怒りに怯みながらも、口元に歪な笑みを浮かべた。