黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
リオン城……プリンセスルームに駆け込んだ家臣が、弾んだ声を上げた。
「ナミプリンセス! 最後の四天王より、黒豹のプリンスと白豹のプリンセスを捕らえた、との報せが入りました!」
「えっ、本当に!?」
(ついに来た! この時が……)
奈美の心が踊る。
ついに自らの手で麗を始末できる……
彼女はそれを想像するだけで、興奮のあまり鼓動が跳ね上がった。
「本当だよ、ナミ。これをごらん」
続けて部屋へ入ったコヨテはそっと、水晶玉を奈美にかざした。
その瞬間、
「あはっ! あはは、キャッハッハハ!」
奈美はまるで気が触れたように笑い出した。
「最高! 最高よ! このうららの馬鹿面。見てよ、ほら」
水晶玉越しには、縄で捕縛され口も塞がれた麗とレオパードが、すがるようにこちらを見ていた。
それを見て、可笑しくて堪らないとばかりに腹を抱える。
「きゃはは! さぁ、うらら。恐怖するがいいわ。恐怖して、恐怖して……その末に、私が剣でグッサリと殺してあげるから!」
それは、周囲のウルフ達さえ引いてしまうほどの浮かれ笑い……
だがしかし、コヨテはそんな彼女を見てフッと微笑んだ。
「さぁ、ナミプリンセス。早速、かのパンターへ向かいましょう」
「ええ、もちろん! あぁ、早く剣を突き立ててやりたいわ」
コヨテは、意気揚々と立ち上がる奈美の手を引いて……
プリンスとプリンセスを先頭に、ウルフの軍はパンターへと向かったのだった。
*
「ナミプリンセス! 最後の四天王より、黒豹のプリンスと白豹のプリンセスを捕らえた、との報せが入りました!」
「えっ、本当に!?」
(ついに来た! この時が……)
奈美の心が踊る。
ついに自らの手で麗を始末できる……
彼女はそれを想像するだけで、興奮のあまり鼓動が跳ね上がった。
「本当だよ、ナミ。これをごらん」
続けて部屋へ入ったコヨテはそっと、水晶玉を奈美にかざした。
その瞬間、
「あはっ! あはは、キャッハッハハ!」
奈美はまるで気が触れたように笑い出した。
「最高! 最高よ! このうららの馬鹿面。見てよ、ほら」
水晶玉越しには、縄で捕縛され口も塞がれた麗とレオパードが、すがるようにこちらを見ていた。
それを見て、可笑しくて堪らないとばかりに腹を抱える。
「きゃはは! さぁ、うらら。恐怖するがいいわ。恐怖して、恐怖して……その末に、私が剣でグッサリと殺してあげるから!」
それは、周囲のウルフ達さえ引いてしまうほどの浮かれ笑い……
だがしかし、コヨテはそんな彼女を見てフッと微笑んだ。
「さぁ、ナミプリンセス。早速、かのパンターへ向かいましょう」
「ええ、もちろん! あぁ、早く剣を突き立ててやりたいわ」
コヨテは、意気揚々と立ち上がる奈美の手を引いて……
プリンスとプリンセスを先頭に、ウルフの軍はパンターへと向かったのだった。
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