黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
そして……愛しい愛しい、その声が掛けられる。


「うらら。願い事を念じなさい」


それは、私の一番に愛する人。

レオパードの優しくて温かい声だった。



そう……

三つの宝玉が揃った。今なら、どんな願い事でも叶う。

レオパードも……ジョンもエマもサーバルも、何を願うかは全て私に委ねると言ってくれた。


私には、自分の願うことで本当に皆を幸せにできるかどうかは、分からない。


だけれども……

今、私のいる世界ではパンターでオルビが、ジョンとエマがいつも平和に笑って暮らして……

元の世界では、私はいつも一人だけれど……奈美とたわいもないお話ができて。

それに、サーバル……そして健が病魔に蝕まれることなく健やかに、いつも通りに暮らすことができて。


そして……

私はレオパードを見た。


私はこの、世界でただ一人……

最も愛する人と結ばれたい……。


(なんて……私の願いは、欲張りすぎるよね。
だって、こんなに汚れてしまって、傷だらけの私なんだから)


私なんかのこんな欲張りな願いなんて叶う訳がない……溜息混じりに、苦笑いした。


その時だった……

三つの宝玉の共鳴する光が突如巨大に膨れ上がり、私を、ジョンを、エマを、奈美を、サーバルを……そしてレオパードを包み込んだ!
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