黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス
朝っぱらからそんな調子で文句だらだらの私に、彼は神妙に語りかけた。
「それはそうと、うらら……。少し、厄介なことが起こってしまいました」
「何、厄介? そんなの、ジョンのやんちゃっぷりに比べたら大したことじゃないわよ」
未だにプリプリ怒っている私を、レオパードは真剣な面持ちで真っ直ぐ見た。
「いいえ。戯れではなく、本当に……」
深刻そうな彼の声と表情……その雰囲気は何か、ただ事ではないことが起こっていることを感じさせて。
私はあることに思い至り、息を飲んだ。
「まさか、ウルフが……」
レオパードは神妙な表情を崩さず、こくりと頷いた。
「ヴォルブのウルフの者達の動きがおかしいです。パンタータウンの者達の噂によるとアルビン……うららの生まれ故郷へ侵攻する準備をしている様子とのことでした。そしてこちらでも調査したところ、彼らがアルビンを攻め落とそうとしていることは間違いない、という結論に至りました」
「そんな……。だって、今のアルビンを治めているのは、ヴォルブと繋がりのある者だったんじゃ……」
「あいつらには、そんなことは通用しません。相手と同盟を結んでいようが……たとえ相手が親でも子供でも、自らの目的のためなら、迷いなく滅ぼす。それが、ウルフの血族なのです」
「そんな……」
あまりのことに、私は絶句した。
「それはそうと、うらら……。少し、厄介なことが起こってしまいました」
「何、厄介? そんなの、ジョンのやんちゃっぷりに比べたら大したことじゃないわよ」
未だにプリプリ怒っている私を、レオパードは真剣な面持ちで真っ直ぐ見た。
「いいえ。戯れではなく、本当に……」
深刻そうな彼の声と表情……その雰囲気は何か、ただ事ではないことが起こっていることを感じさせて。
私はあることに思い至り、息を飲んだ。
「まさか、ウルフが……」
レオパードは神妙な表情を崩さず、こくりと頷いた。
「ヴォルブのウルフの者達の動きがおかしいです。パンタータウンの者達の噂によるとアルビン……うららの生まれ故郷へ侵攻する準備をしている様子とのことでした。そしてこちらでも調査したところ、彼らがアルビンを攻め落とそうとしていることは間違いない、という結論に至りました」
「そんな……。だって、今のアルビンを治めているのは、ヴォルブと繋がりのある者だったんじゃ……」
「あいつらには、そんなことは通用しません。相手と同盟を結んでいようが……たとえ相手が親でも子供でも、自らの目的のためなら、迷いなく滅ぼす。それが、ウルフの血族なのです」
「そんな……」
あまりのことに、私は絶句した。