【完】世界を敵に回しても
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*
「……会社辞めるって、本当か?」
率直に、聞かれた。
だから、私は頷いて。
「うん、本当だよ」
吊戯繋がりで、プライベートでも付き合うことが多かった相手。
ずっと、ずっと、好きでした。
だから、もう、さようなら。
「どうして?」
「一身上の理由かな」
微笑んで、誤魔化すよ。
貴方を苦しめないよ。
だから、あなたは幸せに。
「…………妊娠したのか?」
なのに、貴方は鋭すぎるよ。
「どうして?」
「え?」
「どうして、そう思ったの?」
「それは……」
彼は言い淀む。
そして、泣きそうに笑った。
「そうであればいいと、俺の子を宿せばいいと……ずっと、ずっと、あの夜から願い続けていたから」
―それは、自嘲の笑みだった。
「……会社辞めるって、本当か?」
率直に、聞かれた。
だから、私は頷いて。
「うん、本当だよ」
吊戯繋がりで、プライベートでも付き合うことが多かった相手。
ずっと、ずっと、好きでした。
だから、もう、さようなら。
「どうして?」
「一身上の理由かな」
微笑んで、誤魔化すよ。
貴方を苦しめないよ。
だから、あなたは幸せに。
「…………妊娠したのか?」
なのに、貴方は鋭すぎるよ。
「どうして?」
「え?」
「どうして、そう思ったの?」
「それは……」
彼は言い淀む。
そして、泣きそうに笑った。
「そうであればいいと、俺の子を宿せばいいと……ずっと、ずっと、あの夜から願い続けていたから」
―それは、自嘲の笑みだった。