ソラ(仮)
風を受けながら、ゆっくりと目を閉じる。



誰もいない屋上。



静かな、落ち着いた空気。



遠くから、授業をする声が聞こえてくる。



太陽は明るく辺りを照らしてる。



人間にも光合成って必要な気がする。



なんてのんびりした昼下がり。



そんな空気がぶち壊されるのは、いつものこと。









「あー、発見!」



男の声にしては、高めの声が聞こえる。



「寝てんなっつーの、何様だ、お前は」



今度は、まあチャラついたような声。



「………ずりー」



最後の声は、渋い独特の低い声。



毎回のこと。



有沙は静かにため息をつく。



そして、ゆっくり目を開けて3人の姿を確認する。
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