イン a ドリーム ■
大丈夫じゃないな、この人…
「救急車呼びましょうか?」
「いや、いい…」
短く発せられた言葉は、低く地を這うような声だった。
こえー……
「もし良かったらこれどうぞ。今買ったばかりなので冷たいですよ。」
私はその人にペットボトルの片方を差し出した。
その人はのそりと顔を上げ、私の手の中の物を見つめ…掴んだ。
「ありがとう…」
「いえ、では私はこれで…」
と、立ち去ろうとしたところで、「お嬢さん。」と引き留められた。
「お礼にこれを上げよう。」
渡されたのは手の中にすっぽり入るくらいの黒くて細長い…
何これ?
ONとOFFのボタンが付いているから、何かのスイッチ…かな?
「きっと役に立つよ。肌身離さずもっているといい。」
それだけ言うと、その人は校門の方へのそりそのりと歩いて行った。
「役に立つって…魔法使いのおじさんみたいだったな…」
肌身離さずって…逆に怖いんですけど…
掌にのったそれに視線を落とすと、学校のチャイムがなった。
見上げれば、屋上の時計塔が9時を指している。
「やっばい!急がないと!」
「救急車呼びましょうか?」
「いや、いい…」
短く発せられた言葉は、低く地を這うような声だった。
こえー……
「もし良かったらこれどうぞ。今買ったばかりなので冷たいですよ。」
私はその人にペットボトルの片方を差し出した。
その人はのそりと顔を上げ、私の手の中の物を見つめ…掴んだ。
「ありがとう…」
「いえ、では私はこれで…」
と、立ち去ろうとしたところで、「お嬢さん。」と引き留められた。
「お礼にこれを上げよう。」
渡されたのは手の中にすっぽり入るくらいの黒くて細長い…
何これ?
ONとOFFのボタンが付いているから、何かのスイッチ…かな?
「きっと役に立つよ。肌身離さずもっているといい。」
それだけ言うと、その人は校門の方へのそりそのりと歩いて行った。
「役に立つって…魔法使いのおじさんみたいだったな…」
肌身離さずって…逆に怖いんですけど…
掌にのったそれに視線を落とすと、学校のチャイムがなった。
見上げれば、屋上の時計塔が9時を指している。
「やっばい!急がないと!」