イン a ドリーム ■
しかも、今思い出したがあの扉…


こちらからだと手前に引かないと開けられない。


つまり、飛び込めない…


致命的な時間のロスだー!


今は一秒でも早く校舎に入りたい。


そうすれば、そこまでは追って来ないだろう。


私の頭の中では完璧なシュミレーションが展開されていた。



必要な分だけパッと開けて、体を滑り込ませ、パッと閉める。
そして何食わぬ顔で立ち去る。
完璧だ…


パッと開けてパッと閉める。
そう、先ずはパッと開けるのだ、パッと。


私はドアノブに手を掛けた…


が、手を掛けるのと同時に私の肩越しに腕が延びてきて、それが扉にドンと凄い音をたてぶつかった。



私のシュミレーションでは…

「パッと…」

「おい、何で逃げる。」

頭上から落ちてきた低い声は明らかに不機嫌なものだった。


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