イン a ドリーム ■
が、目は合わせられず、それはまあ見事なまでの不自然さで目をそらす。


「逃げたよな?」



これ以上は誤魔化し切れない…

私は降参することにした。



「逃げました…」


「どうして逃げた?」


「さっき…失礼なことしたので…」



盛大にかましてやった… モザイク必須のジェスチャーを…


「自覚はあったんだな。」


「ぐっ…一応私にも良心は持ち合わせていますので…」


「そんな良心を持ち合わせてる近衛さん。悪いことやったらどうすんだっけ?何か言うことあるよな?」



ごにょごにょと「すみません」と呟けば…



「あ"っ?聞こえねーなあー」



と、業と耳を近づけてくる。



絶対聞こえてたくせに。
くそっ…このイビリ野郎…



「歳なんじゃないですか?」



さっきより小さい聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いたのに…



「聞こえてるぞ。」



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