イン a ドリーム ■
そして両頬を片手でむぎゅっと潰され、笑顔で凄まれる。

「ほら、もう一度 "おにいーさん" に言ってみ?」



コエ~



私がその静かなる剣幕に逆らえるはずもなく…


「しゅみましぇんでした…」


速攻で謝った。




直ぐに開放された顔を擦りながら、私は眉間にシワを寄せた。



乙女の顔をなんだと思ってるのよ、この髭面イケメン!



「それで、髭面地獄耳お兄さん。」


「お前、ケンカ売ってるよな?まあいい、なんだ?」


「どうしてこんな所にいるんですか?」


「ああ、採用活動による学校訪問ってやつで来たんだ。」


そう言えば、夏休み中にいくつかの企業が学校に来て、仕事内容の説明から、その仕事に就くための進路相談とか色々質問に答えてくれるって廊下の掲示板で見たな。



「職員室に行きたいんだが、どこにある?」


「ああ、迷子なんですね。警察官の癖に。」



にこりとしながら言えば、今度は相手の眉間にシワが刻まれる。



「" 迷子 "ではないがな。教えてもらえたら助かる。」


感情を押さえているのは明白で、無理矢理上げた口角は引きついっている。



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