イン a ドリーム ■
朝から生気のない顔で会社に向かう大人達を見ていると、若輩者ながら心から労いの言葉を掛けたくなる。
「あー子、突然ですが問題です。あー子の今日のラッキーアイテムは何でしょー?」
いきなり始まったラッキーアイテムクイズは、いつの頃からやりだしたことかもう忘れてしまったが、私達二人だけの遊びだった。
問題をたー子が出し、それを私が答える。
正解すればそのラッキーアイテムがもらえる。
問題を私が出すことはなく、たー子が答えることもない。いつもこの形。
だからクイズはたー子次第で、連日出題されることもあれば数ヵ月出されないこともある。
私が問題を出そうとした時もあるのだけれど、これは私が答えるから意味があるのだと言われた。
が、その意味はよく分からないし、たー子は意味が分からなくて良いのだと言う。
変なゲームではあるが、クイズは嫌いではないので、今日も真剣に考える。
考えた結果…
「ハンカチ。」
「ぶっぶー、ハズレー、今日のはねー」
セーラー服の何故そこの位置に付けたといつも思う両脇腹に付けられたポケットの片方から取り出したのは、緑色の板だった。
「何これ…」
「ゴム板。」
ゴム板、とは…
「よく銀行とかにあるハンコ押すときの台。」
その板を貸してもらい両手でつかんで力を入れてみれば、ふにゃりと曲がった。
まさにゴム板。
しかも厚さ1㎝はあるゴム板。
どこの朝番組でやってるのか知らないけど、毎度ラッキーアイテムが雑だ。
こんなに雑な上に、一般人が手に入れるのも難しいアイテムもあるから正解するのはかなり難しい。
勿論正解したことは何度かあるけど、実はズルをしていることはたー子には内緒だ。
「毎回思うけど、これでどんなラッキーが起こるわけ?てか、起こるの?」
「あー子、突然ですが問題です。あー子の今日のラッキーアイテムは何でしょー?」
いきなり始まったラッキーアイテムクイズは、いつの頃からやりだしたことかもう忘れてしまったが、私達二人だけの遊びだった。
問題をたー子が出し、それを私が答える。
正解すればそのラッキーアイテムがもらえる。
問題を私が出すことはなく、たー子が答えることもない。いつもこの形。
だからクイズはたー子次第で、連日出題されることもあれば数ヵ月出されないこともある。
私が問題を出そうとした時もあるのだけれど、これは私が答えるから意味があるのだと言われた。
が、その意味はよく分からないし、たー子は意味が分からなくて良いのだと言う。
変なゲームではあるが、クイズは嫌いではないので、今日も真剣に考える。
考えた結果…
「ハンカチ。」
「ぶっぶー、ハズレー、今日のはねー」
セーラー服の何故そこの位置に付けたといつも思う両脇腹に付けられたポケットの片方から取り出したのは、緑色の板だった。
「何これ…」
「ゴム板。」
ゴム板、とは…
「よく銀行とかにあるハンコ押すときの台。」
その板を貸してもらい両手でつかんで力を入れてみれば、ふにゃりと曲がった。
まさにゴム板。
しかも厚さ1㎝はあるゴム板。
どこの朝番組でやってるのか知らないけど、毎度ラッキーアイテムが雑だ。
こんなに雑な上に、一般人が手に入れるのも難しいアイテムもあるから正解するのはかなり難しい。
勿論正解したことは何度かあるけど、実はズルをしていることはたー子には内緒だ。
「毎回思うけど、これでどんなラッキーが起こるわけ?てか、起こるの?」