イン a ドリーム ■
「おい、大丈夫か?」
手から離れた痴漢男を起き上がらせようと、イケメンが近づいた次の瞬間…
痴漢男が走り出した。
「「「あっ…」」」
それは正に脱兎の如く。
イケメン、私、たー子の三人は一瞬止まった。
元より私は暑いし怖いしで追うつもりはなかったけれど。
イケメンがワンテンポ遅れて走り出したが既に距離が開きかけている。
捕まえられない距離ではないが、追いかけっこは必須だ。
しかしその痴漢男、呆気なく御用となった。
こちらに歩いて来た少年に思いきり背負い投げされたのだ。
凄い!
思わず拍手したくなる程、綺麗な背負い投げだった。
「せんぱ~い、何逃げられてるんですか。」
その少年は呆れ顔で、イケメンに話し掛ける。
「おう、佐竹。助かった。」
少年と思ったが、佐竹と呼ばれた男性はイケメンと見るからに親しいことと着ている服から推察するに、年上のただの童顔成人男性だったようだ。
「でもなんでお前、そんな派手に捕まえたわけ?普通に捕まえられただろ。」
「ボスに、何かあったら躊躇わず投げろと言われたので投げました。」
「多分、そういう意味で言ったんじゃないと思うぞ。」
「じゃあ、どういう意味で言ったんですか?」
「知るかよ。自分で考えろ。」
と、イケメンはそれ以上佐竹さんに構わずに、熱せられたアスファルトに叩きつけられた痴漢男を助け起こした。
「本当、手間かけさせんなよな。只でさえ暑いんだからよ。」
そして、その痴漢男をバス停からさほど離れてない所にある交番に引きずるように連れて行った。
私と佐竹さん、たー子もその後に続く。
イケメンは胸ポケットから何か取り出すと交番のお巡りさんにそれを見せる。
黒いカバーの中に金色に輝くエンブレム。
手から離れた痴漢男を起き上がらせようと、イケメンが近づいた次の瞬間…
痴漢男が走り出した。
「「「あっ…」」」
それは正に脱兎の如く。
イケメン、私、たー子の三人は一瞬止まった。
元より私は暑いし怖いしで追うつもりはなかったけれど。
イケメンがワンテンポ遅れて走り出したが既に距離が開きかけている。
捕まえられない距離ではないが、追いかけっこは必須だ。
しかしその痴漢男、呆気なく御用となった。
こちらに歩いて来た少年に思いきり背負い投げされたのだ。
凄い!
思わず拍手したくなる程、綺麗な背負い投げだった。
「せんぱ~い、何逃げられてるんですか。」
その少年は呆れ顔で、イケメンに話し掛ける。
「おう、佐竹。助かった。」
少年と思ったが、佐竹と呼ばれた男性はイケメンと見るからに親しいことと着ている服から推察するに、年上のただの童顔成人男性だったようだ。
「でもなんでお前、そんな派手に捕まえたわけ?普通に捕まえられただろ。」
「ボスに、何かあったら躊躇わず投げろと言われたので投げました。」
「多分、そういう意味で言ったんじゃないと思うぞ。」
「じゃあ、どういう意味で言ったんですか?」
「知るかよ。自分で考えろ。」
と、イケメンはそれ以上佐竹さんに構わずに、熱せられたアスファルトに叩きつけられた痴漢男を助け起こした。
「本当、手間かけさせんなよな。只でさえ暑いんだからよ。」
そして、その痴漢男をバス停からさほど離れてない所にある交番に引きずるように連れて行った。
私と佐竹さん、たー子もその後に続く。
イケメンは胸ポケットから何か取り出すと交番のお巡りさんにそれを見せる。
黒いカバーの中に金色に輝くエンブレム。