イン a ドリーム ■
この人警察官だったんだ…


そしてイケメンが慣れたようにことのあらましを説明してから、私は交番のお巡りさんから一通り事情を聞かれた。





朝っぱらから疲れたわあ~
でも、イケメンと出会えたし!

しかも、イケメンは話が終わるまで待っていてくれていた。

これはもっとお近づきになれるチャンスでは!?

そう言えばまだお礼も言ってなかったし…


「あ、あの…」


私は頬を染め、しおらしくイケメンに声を掛けた。


が…


「お前、何で叫ばねーんだよ。」


「えっ…」


突然何?


「痴漢されたら叫べよ。」


いや、それは、怖かったからで…


「叫べないなら誰かに助け求めたりしろよ。何もしねーから痴漢も図に乗るんだろーが。」


なっ!図に乗ったのは私のせいなの!?


「それに、そのスカートの短さ。そんなだから痴漢に狙われんだろーが。」


はあ!?


なんなのこの男!


何でここまで言われなくちゃいけないの!?


沸々とイライラが込み上げてきて、それは先ほどまでこのイケメンに抱いていた好感度を意図も簡単に飲み込んでいく。


マジムカツク!



「スカートの短さ指摘すんならこの暑さどうにかしろ!この無精髭オヤジ!」


私はお礼も言わずに啖呵を切った。
テレビならモザイク必須のジェスチャーも添えて。


唖然とするイケメンを残し、たー子の手を掴み灼熱の陽射しの中走ってその場から逃げた。


別に悪いことしたと思ってないけど、これ以上親父の小言なんて聞きたくないしね。


あんな奴に胸をときめかされたなんて…
痴漢にあったことも悪くない?
本当私のバカ!

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