強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
私が西野君の名前を挙げた途端、ゆきのが手に持っていた携帯をすべり落とした。
あ、図星だったか…
私はしゃがみこんで、ゆきのの机に頬杖をつきながらゆきのの顔を覗き込んだ。
「…うん、康史君と昨日いろいろあって…」
「昨日?」
昨日は確かゆきのは私と帰ったはず。
ってことは帰ってから色々あったのかな?
うんうんと相槌を打ちながら次の言葉を待った。
「ラインで…康史君が…私のこと気になるかもーって…」
語尾になるにつれて小さくなっていった声。
でも私はちゃんと聞きとった。
「えっ!えっ…むぐ」
そして驚きのあまり目を見開いて叫びだしそうになった口を慌てて自分の両手で塞ぐ。
言い放ったゆきのも顔が真っ赤っ赤だ。
「だから…ちょっと気まずいなぁって」
「ゆ、ゆきのは西野君に自分の気持ち言ったの?」
私の問いかけに首を横に振った。
え?!そんな良い調子なのに自分の気持ち言ってないの?!