強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
「言わなきゃダメでしょー…」
あー…と言いながら私は立ち上がる。
「そうなんだけどー…無理…」
どうしよう、どうしよう、と頭を抱えながら私の腰に抱きついてくる。
なんだかんだ乙女なゆきの。
私は頭をポンポンと撫でていると、西野君と凪君の姿が視界に止まる。
まだゆきのは気づいていないようで私のお腹に額を押し付けて盛大に溜息を吐くのだ。
さぁ…どうしようか。
そんな私に気づいたのは凪君で、顔をパァと明るくさせてこちらへと近づいてきた。
「マーキッ!おはよ!って…ゆきの?」
「え?!あ、凪…!」
私の横に並んで下を見る凪君。
その声にビクリと体を震わせると慌てたように私から体を離すゆきの。
もちろん凪君が来るということは、もう一人…
「マキちゃん、おはよ。……ゆきのちゃん?」
西野君も凪君の隣に並び、ゆきのを見下ろしていた。
その顔といったら…これでもか、というくらいまっかっかで目を見開いている。