強引な彼の甘い溺愛に囚われて!
そして…
「~~っ!私、トイレ!」
「へっ?!」
顔を両手で覆いながら光の速さで廊下へと消えていったゆきの。
…い、行っちゃった。
私の行き場のないこの手はどう引っ込めようか…
その場に残された3人。
気まずい雰囲気が漂う中、深くため息を吐いて口火を切ったのは西野君だった。
「…やっぱり、ダメか」
はあぁ~と肩を落としてがっくり項垂れる西野君に私は掛ける言葉が見つからない。
「そう気を落とすなって。あれは絶対照れ隠しだ」
気の強そうに見える女ほどああなんだよ、と西野君の肩を叩く凪君。
お、凪君良くわかってる!
そうなんだよね…ゆきのって何処かそういうところあるから。
「そうだよ、西野君!ゆきのあれは照れ隠しだから気にすることないって!」
「ぇえーマキちゃんも知ってる感じ?」
「当たり前だろ。あのゆきのがマキに話さないわけがない」
「だよなぁー…」